【残酷な真実】フリーランスの手取り早見表|個人事業主vs会社員

結論
「フリーランスで売上600万円!会社員時代の年収400万より稼げてる!」
…本当に、そうでしょうか?その「売上」から、いくら税金と保険料を払うか、計算しましたか?
10年間のフリーランス経験で僕が学んだ、最も残酷な「お金の真実」をお伝えします。
- フリーランスの「売上」と会社員の「年収」を同額で比較するのは、リンゴとスイカを比べるようなもので、全く意味がありません。
- 【個人的見解】フリーランスの売上600万円の「実質手取り」は、年収400万円の会社員に匹敵する、というのが僕の試算です。つまり、会社員時代の年収の「1.5倍」の売上があって、ようやく同じ土俵なのです。(※フリーランスの収入はサラリーマンの3倍必要説の真偽もここで検証します)
- この記事では、なぜそう言えるのか、税金、社会保険料、福利厚生といった「隠れたコスト」と「隠れた収入」を全て含めた、本当に比較すべき「手取り早見表」を公開します。
この記事を書いている筆者は、10年の会社員生活の後、フリーランスエンジニアとして10年活動し、40代で会社員に戻った経験者です。僕も独立当初は「売上800万!会社員時代の倍だ!」と舞い上がっていました。しかし、翌年に来た住民税と国民健康保険料の請求額を見て、全てが幻想だったと気づきました。あの絶望を、あなたには味わってほしくありません。
「額面」に騙されるな!手取りのカラクリ

なぜフリーランスは「1.5倍」以上必要か
会社員の「年収」とフリーランスの「売上」は、スタートラインが全く違います。フリーランスの売上からは、会社員が守られていた「3つのコスト」が引かれるからです。
①事業経費
会社員なら「交通費」「PC代」「家賃(オフィス代)」「光熱費」「交際費」…これらは全て会社持ちです。フリーランスは、これら全てを売上から「経費」として自分で支払わなければなりません。
②社会保険料(全額負担)
会社員は「健康保険」「厚生年金」を会社と折半(半分負担)してくれます。フリーランスは「国民健康保険」「国民年金」を全額自己負担します。この差が、手取りに致命的なダメージを与えます。(詳細は「フリーランスと会社員の税金を徹底比較」の記事で解説しています。)
③見えない収入(ゼロ)
会社員には「ボーナス」「退職金」「有給休暇(休んでも給料が出る)」「家賃補助」といった、給与明細以外の「見えない収入」があります。フリーランスは、これら全てがゼロ。自分で積み立てるしかありません。
フリーランス手取り早見表(年収・職種・年齢別)

では、会社員「年収」とフリーランス「売上」を、同じ土俵で比較するとどうなるか。ここでは「自由に使えるお金(=手取り)」を、様々な角度から試算します。
※全ての試算は、東京23区在住・40歳未満・独身・青色申告(65万円控除)を想定した筆者独自の概算です。家族構成、お住まいの地域、経費率、控除額によって実際の金額は大きく異なりますので、あくまで目安としてご覧ください。
【年収別】会社員 vs フリーランス「実質手取り」比較
会社員(年収)と、フリーランス(売上)が1.5倍、2倍のケースを比較します。フリーランスの経費率は、控えめに見積もって「売上の20%」と仮定します。
| 比較対象 | 会社員 (年収400万) |
フリーランス (売上600万 / 1.5倍) |
フリーランス (売上800万 / 2.0倍) |
|---|---|---|---|
| 額面(売上/年収) | 4,000,000円 | 6,000,000円 | 8,000,000円 |
| 経費(フリーのみ) | – | – 1,200,000円 | – 1,600,000円 |
| 社会保険料(自己負担) | – 580,000円 | – 670,000円 | – 880,000円 |
| 所得税・住民税 | – 380,000円 | – 580,000円 | – 1,020,000円 |
| 【最終手取り】 | 約 3,040,000円 | 約 3,550,000円 | 約 4,500,000円 |
| 見えない収入(会社員のみ) | + 800,000円 | – | – |
| 【実質手取り価値】 | 約 3,840,000円 | 約 3,550,000円 | 約 4,500,000円 |
売上1.5倍(600万)では、会社員(年収400万)の「実質手取り価値」に負ける、という衝撃的な結果になりました。売上2倍(800万)になって、ようやくフリーランスが優位に立ちます。
【職種別】経費率で変わる手取り(売上800万円の場合)
同じ売上でも、職種によって「経費率」が全く異なります。経費が少ないほど手取りは増えますが、その分「所得」が増えるため、税金も高くなります。
| 項目 | A: ITエンジニア (経費率15%) |
B: デザイナー (経費率25%) |
C: 営業代行 (経費率40%) |
|---|---|---|---|
| 売上 | 8,000,000円 | 8,000,000円 | 8,000,000円 |
| 経費 | – 1,200,000円 | – 2,000,000円 | – 3,200,000円 |
| 所得 | 6,800,000円 | 6,000,000円 | 4,800,000円 |
| 社会保険料(自己負担) | – 940,000円 | – 820,000円 | – 680,000円 |
| 税金(所得税・住民税・事業税) | – 1,250,000円 | – 1,000,000円 | – 630,000円 |
| 【最終手取り】 | 約 4,610,000円 | 約 4,180,000円 | 約 3,490,000円 |
【年齢別】社会保険料と将来コストの比較
年齢が上がると、会社員もフリーランスも「介護保険料」の負担が始まります。しかし、それ以上に「老後の年金額」に絶望的な差が生まれます。
| 比較対象(所得500万と仮定) | 35歳 会社員 | 35歳 フリーランス | 45歳 会社員 | 45歳 フリーランス |
|---|---|---|---|---|
| 健康保険料(年) | 約 250,000円 | 約 530,000円 | 約 300,000円 | 約 630,000円 |
| 年金保険料(年) | 約 460,000円 | 約 199,000円 | 約 460,000円 | 約 199,000円 |
| 保険料 合計(自己負担) | 約 710,000円 | 約 729,000円 | 約 760,000円 | 約 829,000円 |
| 将来の年金受給額(月) | (厚生年金) 約 15万円 | (国民年金) 約 6.8万円 | (厚生年金) 約 15万円 | (国民年金) 約 6.8万円 |
40歳になると介護保険料が上乗せされ、フリーランスの負担はさらに重くなります。しかし、それ以上に注目すべきは「将来の年金額」です。会社員は厚生年金があるため、国民年金のみのフリーランスと比べ、老後の受給額に倍以上の差がつく可能性があります。
フリーランスは、この差額(月8万円以上)を、今の「手取り」からiDeCoなどで必死に積み立てないと、会社員と同じ老後を送ることは困難かもしれません。
「手取り」に人生を捧げた5人の声

「手取り」という数字に一喜一憂し、その結果、会社員に戻る決断をした人たちの体験談です。
Aさん(28歳・女性・イラストレーター)
売上300万。会社員の友達より貧乏…
「売上300万って、会社員の年収300万と全然違う。経費引いて、国保と年金払ったら、手取り200万切りました。月16万ちょい。手取り20万でボーナスもある会社員の友達より、明らかに貧乏。好きなことしてるはずなのに、美容院代も切り詰める生活です。」
Bさん(35歳・男性・ITエンジニア)
前年の「税金爆弾」で手取りが消えた
「去年、売上1000万超えた!って喜んでたら、今年来た住民税と国保の請求が合わせて200万近く。今年は仕事が減って売上500万ペースなのに…。稼いだ金は、翌年の税金のためにあるようなもん。手元には全然残らない。何のために働いてるか分からなくなりました。」(※税金が払えない時の対処法はこちら)
Cさん(41歳・女性・Webライター)
iDeCoや小規模共済に回す金がない
「売上は月30万。そこから経費と保険料払ったら、生活費でカツカツ。『老後のためにiDeCoや小規模企業共済に入れ』って言うけど、そんな余裕どこにもない。会社員なら厚生年金があるけど、私は国民年金だけ。今の生活も苦しいのに、老後はどうなるの…って考えると、不安で吐き気がします。」(※フリーランスの不安感の正体と対策はこちら)
Dさん(33歳・男性・営業フリーランス)
「経費で落ちる」は「自腹」と同じ
「『経費で落とせるから』って、交際費とかPC代とかガンガン使ってた。でも、経費って『売上から引ける』だけで、結局自分の金で払ってるんですよね。会社員時代は、交通費も接待費も全部会社持ちだった。あの頃がどれだけ恵まれていたか…。『経費で落ちる』は、フリーランスにとっては『自腹を切る』とほぼ同義でした。」
Eさん(46歳・男性・元公務員)
安定を捨てたことを後悔
「公務員を辞めてコンサルとして独立。確かに稼ぎは3倍になった。でも、失ったものの方が大きかった。共済年金という最強の老後保障、信用、そして何より『心の安定』。年収3倍稼いでも、不安は3倍になった。手取り額では測れない『安定』という資産を、なぜ捨ててしまったのかと後悔してる。」
「手取りが少ない」「将来が不安」…もしあなたがそう感じているなら、
フリーランス経験を武器に、もう一度「会社員」という安定した船に乗ることを考えてみませんか?
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まとめ

- フリーランスの「売上」と会社員の「年収」を同じ数字で比較しては絶対にいけない。
- 売上600万円のフリーランスの「最終手取り」は、年収400万円の会社員とほぼ同等である可能性が高い。
- 会社員には、社会保険料の会社負担や福利厚生といった年間100万円以上にも匹敵する「見えない給料」が存在する。
- 「額面」に騙されず、「実質手取り」で考えれば、会社員に戻ることは賢明な経済的判断と言える。
「フリーランスは稼げる」という幻想から目を覚まし、あなたの人生にとって本当に豊かな選択は何か、この早見表をきっかけに考えていただければ幸いです。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の商品やサービスを推奨・保証するものではありません。記事内に記載された手取り額のシミュレーションは、筆者の経験に基づく特定の条件下での概算であり、その正確性を保証するものではありません。税金や社会保険料は、お住まいの地域、年齢、家族構成、経費の額、各種控除によって大きく変動します。最終的な判断は、ご自身の責任において、または税理士等の専門家にご相談の上で行ってください。
